Vtuberに限らず、動画編集を仕事にすると様々な品質の音声を扱うことになります。一番の敵はノイズ。声優さんから納品された音声には電源ノイズやホワイトノイズなどのノイズが乗っていることが多くあります。こういう音声をなんとか使えるようにしていきましょう。
ノイズの多い音声からノイズを消してくれるWavesのX-noise
音声からノイズだけ削除してくれる魔法のようなエフェクターがこのX-noiseです。
自分で録音をするのであれば、ちゃんと気をつけて録音すれば、ノイズの問題は発生しないはずですが、声優さんからの納品となるとそうはいきません。そこで、このエフェクターの出番となります。
音声を扱うときには、VUメーターはほぼ必須なので表示しておきましょう。わたしはFinal Cutを使うことが多いですが、VUメーターのところをクリックすると、大きくメーターを表示することができます。
納品された音声を再生してみるとこのようにノイズが含まれています。
「ブツッ」と聴こえる-20dbくらいのノイズは、トリムすることで削除できます。問題は残りの-40dbくらいで「ブーン」と鳴っている電源ノイズです。無音部分であれば、トリムすることで削除できますが、音声部分にも同じ大きさで「ブーン」と鳴っているので、これはトリムできません。
無音部分で「ブーン」と鳴っているノイズと、音声部分で「ブーン」と鳴っているノイズは基本的に一緒ですので、以下のようにして消すことができます。
- 無音部分のノイズを学習する
- 学習したノイズ成分を全体(無音/音声部分)から取り除く
X-noiseで無音部分のノイズを学習する
まずはノイズの成分をX-noiseに学習させます。同じ種類のエフェクターは他社からも出ていますが、基本的には一緒の使い方です。
まずX-noiseを音声部分に追加します。
X-noiseの画面を開きます。
「Learn」をオンにしてから、無音部分(ノイズだけの部分)を再生します。
「Learning」をオフにします。
これでノイズの学習はできたので、次は消す設定をします。
X-noiseで学習したノイズを消す設定
ナレーションなどの音声であれば、設定をあまり深く考える必要はありません。
「Threshold」のフェーダーをちょっと上げると、ノイズが少々大きくなっても消してくれるようになります。
「Reduction」のフェーダーも上げます。
どれくらいノイズを取るか、という設定ですが、取り過ぎなければ音声がおかしくなることはありません。
どちらのフェーダーも半分までくらいに設定しておけば、ノイズが消える……ことは無いにしても気にならないレベルまで小さくなります。
音声の編集はどこまでこだわるかにかかっているというか……
音声については、録音の時点で問題がある場合には、ほとんど何もできないくらいに考えておいたほうが良いと思います。例外として、電源ノイズやホワイトノイズは、エフェクターでなんとかなりますのでX-noise使ってみるのも良いと思いますが、基本的には録音の時点でノイズができるだけ少なくなるようにして欲しい……。
もし、ダイナミックマイクを使っていてノイズに困っているなら、ケーブルを変えることで解決する可能性があります。
Wavesのエフェクターの使い方についてはこちらの記事で解説しているので合わせて参考にしてください。