わたしは動画編集やチャンネルディレクターの仕事にしていて、音声の編集をすることが多くなっています。
音声を扱っていてよくあるのがノイズの問題。
とくにダイナミックマイクは音が小さいのでノイズが問題になりやすくなっています。
この記事では、ダイナミックマイクのノイズ対策について解説していきます。
まず、ダイナミックマイクの音が出ない場合
ダイナミックマイクで一番の定番はこのSHUREのSM58です。
ダイナミックマイクは構造が簡単になっていて、声を電気信号に変えるだけのマイクになっています。コンデンサーマイクのようにファンタム電源は必要ありません。しかし、声の電気信号は非常に小さいため、マイクプリアンプで増幅する必要があります。
マイクプリアンプは一般的にオーディオインターフェイスの機能としてありますが、このオーディオインターフェイスに繋がないと音が出ないということになってしまいます。
PCに直接繋いでもマイクとして認識されるので勘違いしてしまいますが、ほとんど反応しません。
では、ダイナミックマイクをオーディオインターフェイスに繋いでいきましょう。
ダイナミックマイクのノイズが問題になる接続方法
ダイナミックマイクを購入すると、このようなケーブルが付属しています。
マイク側の端子はこのようになっていて……。
オーディオインターフェイス側の端子はこのようにフォーンプラグになっています。
このケーブルで、オーディオインターフェイスにダイナミックマイクを繋いでみます。
レベルメーターに通してみると、サーっと聴こえるノイズが乗っています。
これくらいのレベルなら問題になるほどではありませんが、マイクプリアンプの性能次第では-40dbくらいまでノイズが出てしまうことがあります。そこまでノイズが乗っていると加工するのはかなりつらくなってきます。
ダイナミックマイクのノイズを少なくする接続方法
このダイナミックマイクのノイズを少なくするためには、フォーン端子のケーブルではなく、両側がXLR端子のキャノンケーブルで接続すると、ノイズを減らせる可能性があります。
こういうケーブルです。
キャノンケーブルで接続するとバランス接続になります。
例えば、SM58の回路図はこのようになっているのですが……。
簡単に解説するとバランス接続では、2番の音声信号と3番の音声信号を重ねることで、音声信号以外のノイズをキャンセルするという仕組みになっています。このキャノンケーブルで繋いでアナライザーに通してみるとこんな感じで、明らかにノイズが減ります。
もし、ダイナミックマイクを使っていて、ノイズの問題に悩まされているなら、キャノンケーブルを使ってみると改善されるかもしれません。簡易なPC用マイクではなく、普通のダイナミックマイクであれば、ほとんどバランス接続ができるようになっています。
ちなみにこの実験で使っているキャノンケーブルはAmazonでとても安いものですが、十分に品質の良いケーブルです。
ダイナミックマイクのノイズをプラグインで解決
フォーンプラグのケーブルからキャノンケーブルに変えてもまだノイズが気になるのであれば、プラグイン(エフェクター)を使ってノイズを低減させることができます。
わたしが仕事で音声を扱うときには、WAVESの「Clarity Vx」を使っています。
このようにノブをひとつ回すだけで、ノイズを聴こえないレベルまで小さくしてくれます。
無料のアプリでもノイズ除去の機能をもったものがいくつかあるのでまとめてみました。
ぜひ試してみてください。