中華デジタルアンプTDA7377の音質は！？1000円ちょっとでどれくらい鳴るの？

音楽を安く高音質で聴きたい！中華アンプに接続するスピーカー

音響関連技術の発展は目覚ましく、「昔なら10万くらいのスピーカーの音質」と評価されていたONKYOの「D-55EX」というスピーカーを使っています。どんなものかと実際に家電量販店で視聴したところ、確かにしっかりと音が鳴ったので購入することに。

D-55EX

このスピーカーシステムはとても気に入っています。これくらいのスピーカーだと低音を出すためには工夫が必要ですが、大抵、スピーカー背面にポートを備えたバスレフ型。しかしこの「D-55EX」はフロントポートのバスレフ型になっているので、配置をそれほど気にせずに、しっかりとした低音を鳴らすことができます。

そしてこのスピーカーを鳴らしていたのはHi-Fi好きの知人から譲り受けた「LP-2024A」。安さにも関わらず良い音でスピーカーを鳴らしてくれます。

このLepyの「LP-2024A」はこの安さでこの高音質！ということで音響好きの間で有名です。なぜ安くて良い音なのか。それはカーオーディオ用のアンプ回路をそのまま流用しているから。

カーオーディオはどんどんと高音質なものが出てきていますが、やはり1ユニットという小さい箱に収めないといけません。そのためアンプ回路をIC化するわけですが、そのICをそのまま家庭用のアンプにしてしまうのです。

先ほど紹介した2万ちょっとのスピーカーを鳴らすためなら、このような中国製のデジタルアンプ、いわゆる中華アンプがちょうどいいでしょう。もっと面白い中華アンプはないものかと探していたところ見つけたのが、次に紹介する中華アンプです。

これがその中華アンプ。

TDA7377

見てください。この余計なものは何もない無駄を削ぎ落とした姿。基盤がむき出しです。そしてアンプIC回路を冷却するためのヒートシンクが見栄えを気にせずネジ止めされています。加えて、電源は自分で用意してくださいという潔さ。素晴らしい。

この姿に魅せられたぼくは、とりあえず電源をなんとかしないといけないということで、家に転がっていたDC12Vの電源アダプターを接続するために、コネクタだけ購入します。

このコネクタを使わなくてもDCケーブルを切断して、配線を剥いて直接POWERの端子にネジ止めしてしまえば使えます。ただ、そのためにアンプと同じくらいの金額がするDC電源アダプターを切断する気持ちにはなれなかったので、このアダプターを差し込んでからアンプへ配線しています。

電源接続イメージ

LEDが光ってアンプが問題なく動作します。

さて、重要なのはその音質です。まず鳴らしてみたときの印象は「非力かな？」というもの。Lepyのアンプに比べて出力が小さく音も細いように思えます。しかしボリュームを12時以上まで回すと印象がガラリと変わりました。

アンプがちゃんとドライヴしているサウンドになり、音に芯が感じられるように。それでいて素直で繊細な音がなります。ジャズをかけてみたところ、各楽器がちゃんと鳴るとともに、ウッドベースのビッキングで指が擦れる音まで聴き取ることができます。

Lepyのアンプと聴き比べてみると、Lepyの音の「味付け」はかなり濃いことがわかります。太くブーストされたような音質。それと比べてTDA7377は素直な音が鳴ります。トーンを調整するような余計な回路がない分、原音に近い音を鳴らせるのでしょう。

ピアノの曲を聴いても、低音は先ほど紹介したスピーカーとともにしっかりと鳴り、その倍音成分が充分に聴こえます。この1,000円ちょっとという金額でここまで再生してくれるTDA7377。ちょっと試してみてはいかがでしょうか。おそらく驚いていただけると思います。